最近よく耳にするようになった「リスキリング」。英文だと「Re-skilling」ということで、何を意味する言葉なのかはなんとなくわかるものの、それがいま注目を高めているのは何故なのか、何をするものなのかを簡単にさらっておきましょう。
なぜいまリスキリングなの?
現代ではデジタル技術やオートメーション化が進んでいます。これにより、より新しいリテラシーが求められ、これまでのスキルが古いものとされつつあります。とくに技術者の方にとっては、これらの変化に適応し、最新の技術や要件に対応が一層必要になってきました。
さらに、労働市場では特定の職種で需要が増加している一方で減少傾向にある職種もあり、労働力の需要と供給に不均衡が生じています。
リスキリングは、技術力の進化、社会の変化に伴って変容していく仕事内容に対し、適切なスキルを確保しこれからの仕事に備えるための手段と言えます。
リスキリングは働くすべての人におススメ?
基本的には、あらゆる人が対象だと言えるでしょう。特に以下のような状況にある方には有益かもしれません。
・技術の進化に追いつきたい人: 技術の進化が速い産業や職種に従事する人は、リスキリングを通じて最新のツールや技術に対応するスキルを習得することで、競争力を維持できます。
・業界や職種の変化に適応したい人: 産業や職種の需要が変化している場合、従来のスキルだけでは対応が難しいことがあります。リスキリングは、変化する環境に適応できるようになりたい人に適しています。
・労働市場での競争力を強化したい人: 労働市場での需要が高いスキルを持つことは、雇用の安定性や昇進の機会を向上させることができます。
・自己成長や継続的な学習を重視する人: 現代の職業環境では、継続的な学習と自己成長が求められます。リスキリングにより、キャリアの発展や豊かな仕事の経験をもたらす可能性があります。
ただし、リスキリングを検討する際には、自身の目標や興味を考慮し、個々の状況に応じて、将来の職業市場の需要やトレンドに注視することが重要です。
リスキリングにはどのような方法があるの?
・オンライン学習の利用:オンライン学習プラットフォームを利用して、柔軟なスケジュールで新しいスキルを習得することができます。
・専門家による指導: 経験豊富な専門家や業界のメンターにアドバイスを受けたり、指導を受けたりすることで、実践的な知識を得ることができます。
・実践的なプロジェクトや課題の参加: 新しいスキルを実践的に適用するために、実際のプロジェクトに参加したり、課題に取り組んだりすることがあります。
・職場内トレーニングプログラム: 企業が従業員に対して提供する内部トレーニングプログラムを利用して、職務に必要な新しいスキルを習得できることがあります。
・参加型イベントやワークショップ: セミナーやカンファレンス、ワークショップなどに参加することで、業界の最新情報を得たりベストプラクティスを学ぶことができたりします。
これらの手段を組み合わせて、効果的なプランを立てることが重要です。個々の目標や状況に合わせて最適な方法を選択し、継続的な学習の習慣を築くことが成功への鍵となります。
自分に適したリスキリングを見つけるには?
ご参考までに、ご自身に合うリスキリングを見つけるための方法を挙げてみます。
・目標の設定: どのような目標を達成したいのかを明確にします。具体的なキャリア目標やスキルの向上目標を設定しましょう。
・スキルの洗い出し: 現在持っているスキルや経験を振り返り、どの分野で強みを持っているか、どのスキルが不足しているかを洗い出します。
・市場の需要とトレンドの分析: 興味を持っている分野や業界の将来の需要やトレンドを調査し、その分野で求められているスキルを理解します。
・自己評価: 自身の好みや能力、学習スタイルの考慮、また、どのようなスキルや職種が自分に合っているかを振り返ってみましょう。
・関連するキャリアアドバイスの取得: キャリアコンサルタントや業界の専門家に相談したり、同じ立場の仲間と情報共有するなど、自分のスキルや目標に合ったアドバイスを得ることも重要です。
リスキリングにより、個人のキャリアアップや組織の成長が見込まれるなど多くのメリットがあります。また、リスキリングに限ったことではありませんが、新たなことを始めるには時間と労力、場合によっては費用負担も伴いますし、労働市場や環境の変化への適応が求められることもあります。リスキリングに取り組む際は、一人ひとりの状況に合わせて柔軟かつ計画的に考えて決めていきましょう。