横浜伊勢佐木町にある立ち呑み居酒屋「みんなのいばしょ!」さんを訪問してきました。
店舗外観です。
店主は元技術者という異色のご経歴の方です。お店のおすすめ料理や飲み物とともに、店主にいろいろと話をお聞かせいただきました。
珍しい地酒も取り揃えています。
電気知識をいかして技術者として就職
--学生時代は電気を学んでいたので、それをいかして働きたいと思い、技術アウトソーシング企業に転職しました。複数の企業で就業しましたが一番長く就業したのは、装置のサービスマニュアル作成という、装置図面を現場の方やサービスエンジニアの方にわかるようにイラスト化するという業務でした。
リーマンショックがターニングポイントに
リーマンショックにより日本国内も混沌としていた、いわゆる「派遣切り」が横行した頃の事。派遣技術者であった店主は契約こそ継続されていたものの、以前ほどの業務量はありませんでした。先行きの見えない不安感もあり、副業でアルバイトを始めたのでした。
--終業後に居酒屋でアルバイトをしました。調理補助、食器洗い、フロア接客など全般です。
このアルバイトが店主のキャリアを変えることになります。
--仕事を教えてくれる先輩がいました。その人はどんな仕事でも懸命に、そして楽しそうに取り組んでいて、輝いて見えました。「自分の店を持つ。」という目標に向かって頑張っていたんです。その話をしているときはとても楽しそうでした。反面、自分はただ会社に行って、言われたことをやって帰るだけ。こうやって50歳、60歳まで続けるのか?と。
おすすめメニュー① マグロぶつといばしょ!サワー。いばしょ!サワーは子供のころの懐かしさが融合する味です。
おすすめメニュー② 店主がお気に入りだったお店のレシピを再現したポテトサラダと季節ごとに旬の食材を使った串カツ5種。ソースは自家製なんですよ!
目標に向かって突き進む【強さ】を学んだ
「こうありたい、こうなりたい。」目標に向かって一所懸命な先輩の姿を目の当たりにしたことで、自分自身と向き合うことに。このままで良いのか?やりたい事は何なのか。
--先輩のように、強い信念で何かを成し遂げたいと思いました。そして、「自分の店を持つ。」ことを目指すことにしたのです。決心してからは全くブレることはありませんでした。何をすべきか、ビジョンは明確でした。
日中は技術者として就業し、夜は飲食店でアルバイトをしながら調理技術や店の運営などを学び、加えて、調理師資格を取得するため学校に通い、資金を貯めて着々と開業の準備を進めました。そして2012年、土地勘があるということから店主の地元である横浜に「みんなのいばしょ!」をオープンさせました。
おすすめメニュー③ パイコー串は数量限定です!
お客さんのほとんどが会社員。気持ちがわかるから距離が近くなる
カウンターの立ち呑み店。店内は明るい雰囲気で、隣に居合わせたお客さん同士が話しやすいこともありますが、店主とも気軽に話せる距離感です。
--仕事帰りに立ち寄ってくれる会社員の方が多いです。組織の中で働くということの大変さやしがらみなんかもわかりますし、「気晴らしに一杯行こう」って気持ちもよくわかる。「もともとサラリーマンだったんですよ」と話すと、お客さんとの距離が縮まりますね。
店内だけでなく常連さんとの飲み会の写真もありました。
串カツは注文が入ってから衣をつけて揚げます。
まだやらなければならないことはある
「数字がニガテなんで」と話す店主。経営に関して勉強中とのこと。料理人としてのスキルも、経営者としての手腕も持ち合わせなければなりません。「まだ『成功した』とは言えない。」と自分に厳しい面も見えました。今のところ、お店は店主が一人で切り盛りされています。ゆくゆくは社員を雇用し、店舗も2号店、3号店と展開していきたい、と今後のビジョンを語ってくれました。
--ひとりだと限界があるけど、2人になるとグッと幅が広がると思うんです。1たす1は2じゃなくて、3にも4にもなるから。
たしかに、組織ってそういうものですよね。3人、4人と増えれば伸びしろは無限です。
場所は伊勢佐木モールから1つ脇の道にあります。この看板が目印。
刺激的な人との出会いをきっかけにキャリアチェンジした店主。さすが元技術者さん、お料理も細部にこだわりが見えます。横浜にお住いの方、会社が近い方、「あれ、店主の顔が掲載されてないじゃん?!」と気付いた方、一度足を運んでみてください。新たな出会いがあるかもしれませんよ。