日本では転職回数が多い人は基本的に不利と言われてきました。理由は様々あると思いますが、長く勤めてもらいたいという企業にとっては、転職回数が多い人だと又すぐに辞めてしまうのではないかと思ってしまうからです。そのような考えは、特に技術を積み上げていくものづくり系の技術職や大手企業に良く見られる傾向です。

しかし、最近は転職回数が多くても、採用を検討いただける企業が増えてきました。現に6社経験していた方で、途中は特定派遣企業を数社経て、更に直近企業は2年しか経験していないという状況で、大手メーカーへ高年収で転職を成功させた方もいらっしゃいます。

このような方々の共通点は、どのような環境でも、そして短期間でも、普通の人の何倍もの集中力で勉強し、技術力を身につけ、そして解決策も寝ずに考えるという人並外れた集中力とパワーを持っているという点です。

逆に、実績を残す前に辞めてしまい、転職回数が多くなり、力が付いていないという場合は、転職活動に苦労してしまいます。

では、大抵の場合、転職回数が少ないほうが有利なのかという話になりますが、正直言ってしまうと有利は有利です。しかし、絶対に有利かというとそうではなく、1社しか経験していない人で、敬遠される場合もあります。

当然のことですが、1社のみの経験の場合、まっさらな新卒から入社しているため、そこでの経験が「常識」となります。これが長年続くと、その環境に慣れ過ぎてしまい、ドンドン頭が固くなっていってしまうことがあるのです。常に思考し続けている方は大丈夫ですが、同じ環境にいると思考せずに仕事を進めることが出来てしまうこともあるので、注意が必要です。

結果的に技術者として、慣れで仕事をしていくと、どこへでも持ち運べるスキル(ポータブルスキル)が身につかず、自社の一部の業務は出来ても、一歩外へ出ると経験が活かせないということになる可能性もあります。

そのような状態の場合は、転職するタイミングではない可能性がありますので、まずは相談しながら、考え方を整理していき、ご一緒にキャリアの方向性を考えていくことをおすすめします。

しかし、危険なことに、転職回数が少ないというだけで、様々なところから沢山のオファーが来るので、自分は市場価値が高く、今がチャンスで早く転職したほうが良いのでは?と思ってしまいがちです。ただし焦りは禁物です。一歩立ち止まってしっかりと考えることが大切です。