浦林 次郎世の中が大変な状況になっています。未知のウイルスにより苦しむ方が少しでも少なくなり、早く安全な世の中に戻る事を祈っております。
何もできない時にどうしよう？
例年であれば、ゴールデンウィーク真っ只中のこどもの日ですね。高速道路は渋滞し、どこへ行っても混んでしまうけれど、貴重な連休を楽しもうと、それぞれが楽しむために出かける日です。例年のこの時期にキャリコンサルティングとしてのアドバイスは、①貴重な連休を将来のキャリアを考える時間として活用しましょう。②仕事や転職活動を忘れて連休を楽しみましょう。という2パターンが私の中の定番です。しかし、今年はそれどころではない状況です。どうしましょう？？
今しかできない事、今だから出来る事
日々忙しいエンジニアの方々にとって、良い悪いは別にして、これだけ家で時間を使える時はなかなかないでしょう。まとまった自分の時間を有効利用したいですね。私からはキャリアに関する提案が主となりますが、是非ご参考にしてみてください。
自分を見つめなおす貴重な時間
仕事に追われ、人間関係に悩まされ、疲れる毎日というのが社会人の大半ではないでしょうか。現在のように、“Stay Home”と言われ、家に居る事が推奨される事は、過去を振り返っても思い出せません。家に居る時間、１人で考える時間、家族と過ごす時間、これらが現在の皆さんの時間の過ごし方の大半ではないでしょうか。そうすると、自分自身の事を考える時間が沢山取れると思います。通常のキャリアコンサルティングでも、過去から現在に至る自分自身の人生を振り返って頂き、キャリアに関する『棚卸』をし、将来のキャリビジョンを考えて頂くというのは、最も重要な内容です。そして、その時間が取れる今こそ、じっくり考えてみるのはいかがでしょうか。
セルフキャリアカウンセリングのすゝめ
キャリアカウンセリングというのは、我々キャリアコンサルタント、キャリアカウンセラーが使う手法です。しかし、人と会う事が難しい今だからこそ、自分で自分をカウンセリングしてみましょう。まず、自分の一番古い記憶を辿ってみてください。幼稚園や小学生の頃でしょうか。もっと小さい時の記憶がある方もいるでしょう。それがご自身の原点になる記憶です。そこから、ゆっくりと記憶を思い返していくと、幼少期のご自身と向き合う事が出来ます。
自分自身のルーツを感じ取る
人間は成長します。その比較は、過去と現在です。前項のように一番古い記憶から辿っていくと、元々の性格や特性、そして経験による変化、その先に成長を感じる事が出来るでしょう。『そういえば、自分はこういう人間だったなぁ』と思えるのではないでしょうか。
自分の周辺も思い出してみる
自分自身の過去を振り返った後は、周辺を考えてみましょう。周辺とは、人間関係でいえば家族を中心として関わった人達、環境でいえばご近所や学校や趣味の活動等も含まれます。外的要因という言葉がありますが、人間の成長には外的要因として周辺環境と人間関係が最も影響すると考えられます。これも古い記憶から辿っていくと、ご自身の変化や成長が感じられるのではないでしょうか。
自身のキャリアについて振返ってみる
さて、いよいよキャリアの領域に入っていきます。キャリアのスタートは色々と考えられますが、今回は『初めて仕事を意識した時』としてみましょう。例えば、学校の進路を考える時に将来の仕事について考えてみた、何かに熱中した時にこれを仕事にしたいと考えてるようになった、という事が多いようです。特に技術者の方の場合は、後者が多くて、プラモデルや模型作りをきっかけにものづくりを仕事にしたいと思ったり、パソコンでプログラムを覚えて仕事に繋がった、等が実際によく伺う事例です。こういうキャリアのスタートを起点に、最初の就職までの道のりから、現在の仕事に至るまでの経緯や詳細な内容を振り返ってみましょう。
形に残しましょう
ここまでの“セルフキャリアカウンセリング”で、過去から現在に至るまでのご自身に関して、かなり振り返れていると思います。また、これをきっかけに家族との会話も増えたかもしれません。思い出すだけでなく、家族に聞いてみるのも大事ですからね。こういった貴重な情報を、是非形に残しましょう。メモ書きでも良いですし、せっかく時間がある時ですから、綺麗にまとめた書類にしてみましょう。転職活動時に作成する職務経歴書が分かりやすい例ですが、その形に囚われず、項目を増やして、振返った内容を全て書いてしまうのも、こういう状況だからこそできる事だと思います。
仲間との交流も上手く工夫しましょう
“Stay Home”で家で1人で居る事が重要になっています。でもそれだけでは寂しいですし、仲間との交流が無くなってしまうのは残念です。昨今はオンラインツールを利用したコミュニケーションの取り方が増えていますね。いつもより多くある自分の時間を、仲間とのオンライン交流にも活用しましょう。普段は出来ない話が出来るのではないでしょうか。そして、これも“セルフキャリアカウンセリング”に繋がりますよ。
いつものメールやLINEの代わりにオンラインで
いつもであれば、家族や友人とのコミュニケーションも、文字だけで済ませてしまいますよね。もう少し色々話したい時は、電話ですよね。でも、こういう時は、オンラインで話してみましょう。やはり顔を見ながら話せるのは良いですよね。最近は、無料ツールも沢山ありますし、タイムラグもかなり無くなっているようです。
最近話題のオンライン飲み会
メディア等でも話題になっているのが、オンライン飲み会です。会社の会議などもオンラインになってきていて、皆さん慣れてきているのでしょう。特に1人暮らしの方にとっては、話す相手もいないし、好きな飲み会も行えなくて、ストレスも話題も溜まる一方ですよね。オンライン飲み会も無料ツールで複数名と行えて、便利な機能もあります。部屋が映ると恥ずかしい人には、バーチャル背景機能もありますね。好き嫌いもあるかもしれませんが、未経験の方は一度やってみてはいかがでしょうか。
まだ先の見えない状況に焦らずいきましょう
未知の戦いが続いています。いつになれば大丈夫とか、元に戻るとか、そんな事を言える人はいません。業界、業種によっては、業績悪化等の厳しい影響が出始めています。しかし、一方で良い方向に頑張っていて、ニーズも増えて忙しい業界もあります。こういう時は焦らずに、今できる事、今しておくべき事に集中しましょう。
まとめ
“セルフキャリアカウンセリング”という言葉は、実は初めて使いました(笑)。今は、セルフや1人で、というキーワードが多いですね。とはいえ孤独になり過ぎるのは、精神衛生上良くありません。新しい選択肢を経験するタイミングでもありますので、是非工夫しながら楽しんでみてください。という訳で、今年のGWからの緊急事態宣言期間は、①“Stay Home”を有効活用した“セルフキャリアカウンセリング”、②オンライン等を活用した家族・仲間との交流、をオススメさせて頂きます。