弊社が紹介した企業の求人票にも一般的な「必須要件」や「求める経験、スキル」といった記載があります。弊社に転職相談に来られた技術者の方がそれを見て、その要件にピタッと当てはまらないと自分は対象外と思って諦めてしまうことがよくあります。
しかし、実は求める要件というのは、100%当てはまらないとダメということではありませんし、「絶対」でもありません。
ご自身の可能性の幅を狭めないためにもその点については、「何故この求人企業を私に紹介したのですか?必須要件や求める経験、スキルが私に当てはまっていないのですが・・・。」と転職エージェントに理由を聞いてみてください。
過去にこのようなやりとりがありました。
昨日、お話を伺った内容からZさんに合いそうな候補企業を5社に絞りましたので、1社ずつ説明させていただきますね。
説明を一通りした後、じっと求人票を見ているZさん。
A社は今までの経験してきた内容とほぼ同じなので、出来ると思いますが、B社は今まで設計してきた製品と違うので、難しいと思います。C社は~。D社は~。E社は~。
A社は確かに今までと同じような製品の設計になるので入社した場合、環境に慣れるのは早いと思います。そしてB社ですが、製品は違っても樹脂の設計や板金の知識については共通しているので、対応は可能かと思います。必須要件にCAE解析と入っていますが、覚える気があれば未経験でも可能性はあります。C社は~。D社は~。E社は~。
そういうものなんですね。求人票の必須要件や歓迎要件を見ていると、どの企業も厳しいなと思えてきてしまうんですよね。
なるほど。それでは視点を変えて・・・。B社の製品の設計は面白そうだと思いますか。また、やってみたいと思いますか。
細かい部分は分かりませんが、難しそうなので、やりがいもありそうだし、面白そうだとは思います。やってみたいとは思います。
その気持ちが大事だと思うんですよね。今までの経験だけで対応出来る仕事であれば、今の会社で実現出来ると思うので、仕事の内容という点だけで言えば、転職する必要はないかと思います。現職で実現出来ない事は○○で、その○○が転職先で実現出来るからというのが、転職理由であったり、企業選定のポイントであったり、志望動機であったりします。そこを中心に考えてみて、チャレンジしたい企業をまずは考えてみて下さい。
分かりました。じっくりと考えてから志望企業を決めて連絡します。
私たちは客観的に冷静に見て、技術者本人が気付かない可能性をお伝えしています。チャレンジしてみたいという事であれば、本気で企業に推薦しますので、沢山企業を受けて、内定が出たところに行くという危険な事はせず、これを機にじっくりと考えてみて下さい。
弊社へご相談にいらっしゃる技術者の方には、まず様々な角度からヒアリングさせていただきます。そして、その内容を整理して、その方にあった企業の候補を考えて数社に絞り、提示させていただいているので、求人票の「必須要件」に当てはまらなくても、活躍できる環境だったり、やりがいを持って働ける環境だったりすることがあります。
とはいえ、技術者の方々は専門職なので、ご自身の経験してきた範囲を超えるということはイメージしづらいのだと思います。私たちは技術の本当に深いところについては分かりませんが、この業界を広く浅く知っていますので、広い視点で総合的に見て、各技術者の可能性を見出していくことに力を入れています。お話をしていれば、見えてくることもあります。転職前提ではなく、お話することも何ら問題ありませんので、すぐに結論を出そうとせず、ご一緒にじっくりと考えていけば、ご自身に合った企業に出会うことができると思います。