今回取り上げるテーマは、【入社時の期待値】です。通常は、中途採用において期待値が低いという事はないのでしょうが、『ポテンシャル採用』や『人物重視採用』等で採用される場合には、期待値が低めという事もあるようです。
【期待値】の捉え方
採用する側から見ると、【期待値】が特に高いというのは、例えば、現存社員と比べて、高い能力(技術力やマネジメント力等)を持っている、もしくは、高いポテンシャルを持っている、或いは、前職での実績がとにかく凄い!肩書が凄い!特許などの特殊な実績がある!
通常の中途採用基準での【期待値】とは
通常の中途採用では、『増員』の場合の、現存社員の方と同等の【期待値】、同等の『伸びしろ』となります。
つまり、現在の組織に入って、その一員としてやっていける人という感覚です。
現存社員と比べて、高い能力(技術力やマネジメント力等)という【期待値】
単なる増員ではなく、現状足りない部分、なかなか採用で埋められない部分に関して、狙って補強、もしくは増強したい要素に対する採用の場合です。
社内にいない、育てられない、新しい分野にチャレンジしたい、という場合にこのような採用が行われます。特に、ベンチャー企業や外資系企業、新規事業立ち上げ期に多いようです。
高いポテンシャルという【期待値】
これは一番特殊で、特に実績がある訳ではないけれど【期待値】が高いというパターンという事です。
新卒、第二新卒から、他業界からの未経験採用等であり得ます。その名の通り、『ポテンシャル』に期待しての採用です。
それぞれの【期待値】に対する高さ、低さ
選考を受ける時に、この【期待値】に対する高さをアピールする事になります。もちろん、【期待値】が高い程、採用に繋がる訳です。
しかし、何事もやりすぎは禁物です。
選考が進むときに、『自分の期待値が上がり過ぎている』と感じたら要注意です。実力以上の事を求められて、入社後に苦労する可能性があります。
だからと言って【期待値】を下げる努力をするというのも違う気がしますし、【期待値】は期待する側である選考者次第でもあります。
自分で出来る事は、『正確に経歴等を伝える事』ですね。
入社後の実例
つい最近、入社後の状況を企業側に聞いた際にあった話です。
ちょうどその企業には、割と近い時期に2名の技術者が入社していました。1名はアラサーでそれなりの経験者、もう1名はアラトゥーのほぼ未経験者。
当然【期待値】はその年齢と経験値に比例します。
しかし、結果はどちらも順調に成長し、活躍してくれていました。
ただ、ここで採用時の【期待値】の差が出ます。
同じくらいの成長度だと、元々の【期待値】の低かった技術者の方が成長が著しいと感じてしまうようです。いわゆるギャップというやつですが、【期待値】の高かった中で頑張っている人は大変だと感じますね。
選考時に戻って思う事
もう一度選考時に気持ちを戻すと、【期待値】が高くないと採用されないが、【期待値】が高すぎると入社後に苦労します。
それを自分次第の要素と照らし合わせると、『条件交渉』という事が思い浮かびます。
その企業が採用条件(主に給与面)で交渉可能な場合、強気な交渉をすればするほど、【期待値】は上がります。年収で100万円違ったら、その差を仕事で示すというのは大変な事ですよね。
実際に、『即戦力の期待』というのは凄いもので、『教えなくても出来るでしょ』という空気を感じたという話も少なくありません。
実際には、会社が変われば色々と違いますので、『教えなくても出来る』なんていう事はあり得ません。
身分相応な評価、待遇が良いでしょう
何事も、『ちょうど良い』という事があります。
先々の事も考えながら、現在の行動を判断する、それを意識する事が、入社後良いスタートを切る為のバランスとなるでしょう。