一般的に転職時の選考では、転職回数が少ない方が好まれる、年齢が若い方が喜ばれる、技術職ではスペシャリストが好まれる、というイメージがあります。これは確かに多数意見であります。しかし、そうでない企業ももちろんあります。

先日初訪問した企業での話です。

1つの技術を極め、その技術を応用した製品づくりをしているメーカーであったので、前述のような選考に関する考え方があるのだろうなと予想していたのですが、実際に話してみると全く逆でした。

その技術部長さんが仰るには、『技術者は苦労している方が技術力が付いているはずだ』というのです。それでは、何を苦労として評価するのか。『転職回数が多い人は苦労してますよね』という言葉は新鮮でした。確かに、行く先々で新しい技術・知識を身に付けなければいけませんし、辞めなければならない状況に陥り、きちんと転職を成功している訳ですから、苦労していると言えるでしょう。

また、派遣技術者としての経験が長く、同様に多くの派遣先を移っている方に関しても、『苦労していて技術力が付いてそうですね』と評価されていました。

どうしてこういう考え方が出来るのか、まだ分かりませんが、もしかしたらご自身が同様の経験をしていたり、周りにそういう方がいらっしゃるからかもしれません。

この話、転職回数が多くて転職に苦戦している方にしたら、とても喜んでいました。

『転職活動をしていて、転職回数が多い事を、悪い事をしてきたように言われ続けてきたので、それを苦労として評価してくれるとは嬉しいです。』

という言葉には、とても気持ちが入っていました。

私はこの技術部長さんの考え方は素晴らしいと思います。肩書に囚われずに本質を見抜こうという考え方が根底にあるのだと思います。

是非、こういう前向きな評価をしてくださる企業へ、相性の良い転職が決まると良いなと思い、また転職支援への熱い想いが盛り上がってきました。