職務経歴書を作り始めると見直しも必要になります。追記したりアレンジしたり、見ているといろいろと編集したくなってくるものです。あれこれ細かくチェックしているその作業、果たして「ブラッシュアップ」なのでしょうか、それとも「盛って」いるのでしょうか。

過去にご相談いただいた方からの再連絡

かつて弊社へご相談いただいた方から久しぶりにお問い合わせをいただいた話です。

この方はご相談いただいた当時は、地方に在住されていました。ご家庭の事情などもあり転居を伴う転職が難しく、エリアを限定して転職活動中でした。弊社が保有する求人は首都圏勤務の企業が大多数のため、具体的なご紹介に至りませんでした。

久しぶりにご連絡いただき教えてくださった近況は、その後状況が変わり転職されていまは首都圏に住んでいらっしゃいました。再度転職を考え始めてあらためて連絡をくださったのでした。

弊社のことを思い出して連絡をくださったのは大変嬉しいことですし、今回のご相談も出来る限りのサポートをさせていいただこうと思いました。そこで、プロフィールをアップデートと、あらためて面談を設定のため最新の職務経歴書を提供していただきました。

職務経歴書を見て感じた違和感

ご提供いただいた新たな職務経歴書には現在の職務内容が加筆され、さらにこれまでの職務経歴にも編集のあとが見られました。   転職活動をしていくうえで、職務経歴書の見直し、手直しは大事なことです。より詳細に記載することやよりわかりやすい内容にするブラッシュアップはした方が良いでしょう。   この方の職務経歴書の場合は、「これまでの業務内容が前回と変わっている」という印象を受けました。

これまで記載されていた業務のほかに「別業務も兼務」とあったり、”担当者”としての職務だと説明されていた職務経験が、「”マネージャー”としてとりまとめていた」とあったりで、正直なところ違和感をおぼえる内容だったのです。

【盛る】を通り越し【虚偽記載?!】とならないように

ご自身が経験されてきた内容ならば、職務経歴書に記載することは何ら問題ありません。むしろ、前回までの職務経歴書の内容がじゅうぶんではなかったという事になります。   しかし、もし「一度だけ隣の部署のお手伝いした事」を「継続的に兼務している」ように記載していたのであれば、「部下はおろかメンバーもいない部署だけど、一人専任だったからマネージャーも同然」との解釈で「とりまとめていた」と記載していたのであれば、【コレ、盛ってる?】と思わずにはいられません。   このような場合、仮に選考が進み入社に至ったとしても、実務を始めてからご本人と企業とが互いに不幸になるだけですし、【虚偽記載】であれば採用取り消し、雇用後に発覚した場合は解雇もあり得ます。  

聞かれても答えることができないのはやってないのと同じこと

職務経歴書の変更内容についてお聞きするつもりでいたのですが、面談実施の直前に連絡があり、ご自身で直接エントリーした企業の選考が進み入社を決めたとのことでお会いできずじまいでした。   入社を決めた企業は、これまでのご経験とは異なる業界でのマネージャーポジションとのことでした。経歴書の内容について詳細に確認できませんでしたのでマネージャー経験について真偽はわかりませんが、企業側としっかり理解しあうことができたのか疑問が残る出来事でした。   新たな環境でご活躍されていることと思いますが、もしうまくいかなかった際にはご相談にいらしてほしいと思います。   ご自身のやってきたことをしっかりPRすることは大事なことです。しかし、話の前後をデコレーションしたり、過度に盛りすぎたりすると面接で窮することになります。   面接という特殊な場では緊張してうまく話せないこともあるでしょう。しかし企業側は「(経歴書の内容を)聞いても応えることができないのは身についてない、経験していないから」と捉えます。緊張していても、うまく話せなくても、身についてる技術・経験は伝えることができるものです。  

「聞かれても答えることができない」ことを経歴書に記載していませんか?専門的な技術表現など説明しづらいことがあるとしても、聞かれたときに「それはこういう事です」とわかりやすい表現に言い換えることもできると思いますし、伝わるように話そうとできるはずです。それができないのは「身についてないこと、経験してないこと」と受け取られても仕方ないことです。盛りすぎにはご注意のうえ、より良い応募書類を作りましょう。