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転職活動で沢山の企業へ応募することについて

履歴書とペンと求人誌

弊社にご相談にいらっしゃる方は、既に他の転職エージェントを利用したことがあるという場合が多いです。

そんな中、既に沢山の企業へ応募してしまっている、あるいは沢山の企業への応募をすすめられて困っているという話が良くあります。

そこで、どう考えるかが人生の大きな分かれ道になると考えています。

最近の2つの事例をご紹介させていただきます。

Sさん、28歳、技術系派遣会社1社で自動車部品メカ設計

弊社にいらっしゃった時には、既に他のエージェントに薦められた企業10数社に応募済みで、面接依頼が続々と来ている状況でした。

それは、当然です。最終学歴は修士で転職経験ゼロ、メカ設計として4年弱の経験と言えば、各社から面接のオファーが来ることは容易に分かります。

ただ、問題はご本人の軸(今回の転職の目的)が明確になかったことです。その為、当然のことながら、履歴書、職務経歴書は、非常に簡易的なものしかなく、まだしっかりとしたものを作成していない状態でした。(その状態で書類選考が通るというのは非常に問題で、企業は中身を見ていない、あるいは年齢と学歴と転職回数と職種しか見ずに通しているということです。このような企業の選考は入社してからこんなはずじゃなかったなど、マッチング精度に問題が出ることが多いです。)

ご本人としても私と話をしたことで、入社することが目的となっている自分に気付き、そのような状況で企業へ応募していることが間違っていると思ったようです。

そして、「こういうのって話を止めてもらうことって出来るのですかね?」という相談がありました。しかし、さすがに他の転職エージェントさんに紹介されている企業のことまでは口を挟むことが出来ないので、「正直にその転職エージェントさんに相談してみてはいかがでしょうか。」と伝えました。

本人としては一旦全て止めて、一からしっかりと進めたいという意思を感じたので、求人紹介の前にしっかりとキャリアコンサルティングを進めていくことにしました。

しかし、「先日お話していた各社の選考の件はどうなりましたか?」とメール連絡を入れても返信なく、その後は音信不通となってしまいました。恐らく各企業の選考を断り切れなくなったのだと思います。

お会いした時には既に面接も入っていて、走り出してしまっていたことから、予想はしていましたが、残念な結果となってしまいました。

Hさん、28歳、施工管理会社→技術系派遣会社で自動車部品のメカ設計

今年の夏ごろに転職を考え、大手転職サイトに登録し、転職エージェントと面談をした際、多くの候補企業を提示され、どこを受けるか選んでくださいと言われたようですが、完全にミスマッチのものも多く含まれていて関係ないものをはじく作業が非常に面倒に感じたようです。

これであれば自分で求人サイトを見て応募するのと変わらないと感じたようで、一旦利用するのをやめたようです。

そこから2ヶ月くらい経った頃に、弊社から連絡させていただき、お会いしたのですが、Hさんは上記のような違和感を感じていたので、弊社の進め方に非常に共感いただき、下記の流れで進めることになりました。

  1. 今回の転職の目的(自分の軸)を明確にする。
  2. 私から見て職場環境や働き方、キャリア形成、技術面でのマッチングが取れていると思われる候補企業を5社程に絞り、各社の情報提供をする(求人票やホームページに載っていない情報中心に伝えます。)
  3. 優先順位を決めて1社ずつしっかりと進めていくか、2、3社平行で進めるかを決める。

現在進行中の転職支援ですが、このように真剣に考えているHさんですので、その真剣さを無駄にしないようにしっかりと支援していきたいと思います。

転職のプロがプロとしてのキャリアコンサルティングをしなければならない

自己責任と言えばそれまでですが、転職は皆素人なので、転職支援のプロである我々転職エージェントが、正しいキャリアコンサルティングをしていかなければならないと思います。

特に20代の方々には「ドンドン受けましょう!」と確率論で多くの企業に応募させる進め方をしている転職エージェントがあるようですが、もうそろそろそういうやり方はやめたほうが良いと思います。

また、転職を考えている技術者の方々も表面的な丁寧な対応や親切な対応に惑わされずに本質的なところを見ていけるように、ご自身のキャリアを真剣に考えていただければと思います。

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