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技術者、初めての転職活動(企業・求人選び編)

むくれているスーツ女性

前回のブログ『技術者、初めての転職活動(転職活動開始編)』では、【キャリアの棚卸】から、履歴書・職務経歴書の作成まで、転職活動の準備段階のお話でした。今回はいよいよ、転職活動が始まってから初期段階までのお話を書かせて頂きます。

初めての転職活動も動き出します。まず何から始めるか!? 皆さんはどう思いますか?

どういう企業、求人を希望しますか!?

転職というのは、何かしらの理由があってするものです。ですから、前職で解決したかった問題を解決する必要があります。それは、仕事内容なのか?職場環境なのか?給与の問題なのか?場所の問題なのか?もっと根本的に会社の経営状態なのか!?

いずれにしても意味のある転職を目指しましょう。

技術者としての遣り甲斐、難しい技術への挑戦

弊社のキャリア相談者の中で一番多いのがこのパターンです。技術者として今の環境に満足していないのです。

その中でも特に多いのが、『設計にチャレンジしたい!』という方と、『もっと幅広くものづくりに携わりたい!』という方です。この希望を叶える企業・求人を選ぶには・・・

設計にチャレンジしたい!

ものづくり技術職の中には、いろいろな職種・役割があります。それぞれがご自身の適性や希望に合わせて、まずはそれぞれの技術職種に就くのですが、ものづくりに携われば携わるほど『設計をやりたい』と感じる方が多いようです。確かに、自身でどういうものを作るか考える役割ですから、やりがいがありますよね。

こういう方は、当然、【設計】が出来る環境を目指すべきです。

しかし、未経験や、少ししか経験がない方が【設計】へチャレンジするのは簡単ではありません。

その転職活動の仕方として、前もいらっしゃったのが、『とにかく、設計職の求人を見たら片っ端から応募しています』という方です。私が心配になったのは、『設計職だったら何でも良いのか?』という事と、『そんなに書類選考NGが続いて辛くならないのか』という事です。また、数をこなそうと思うとどうしても1つ1つは雑になります。応募もただ書類を出すだけになっているでしょう。それでは、合格の可能性も上がらないでしょう。しっかり企業・求人を見定めて、可能性をあげる努力をした上でチャレンジして欲しいと思います。

こういう方へのアドバイスの1つとしては、【設計職】に拘るのか、【設計】が出来る事が大事なのか、という事です。この違いを理解する事が、難しいチャレンジを可能にする第一歩だと思います。

但し、【設計】未経験や少ししか経験していない方が、【設計】へチャレンジする、可能性がある求人を見極めるのは容易ではありませんので、専門性の高いキャリアコンサルタントや転職エージェントへご相談する事をオススメします。

もっと幅広くものづくりに携わりたい!

同じく多いご相談がこれです。事例としては、『分業制でものづくりのごく一部しか携わっていない為、自分が何を作っているのか分からない』とか、『企画から携わって完成まで見ていきたい』とか、『技術職でも、お客さんに接して、お客さんの希望を取り入れたものづくりをしたい』というような内容です。

実は、私自身も技術職の時は、非常に分業制で、開発のごく一部の専門家、というような働き方でした。その分多くの機種の開発に携わる事は出来ましたし、それはそれで遣り甲斐はありましたが、『この製品は自分が作った』という実感は得られませんでした。

そういう方は、是非とも開発に幅広く携われる環境を目指してください。傾向としては、企業規模が小さくなった方が幅広く携われたり、製品規模が小さくなった方が幅広く携われる、という可能性が高くなります。

とはいえ、メーカーにも、ファブレスメーカー、OEMメーカー、セットメーカー、というように様々な形態のメーカーがありますし、社内の組織・職種の分け方も様々です。

やはり、企業のものづくりの工程や職種ごとの守備範囲の違いを理解している、専門性の高いキャリアコンサルタントや転職エージェントにご相談する事をオススメします。

職場環境を改善したい方の悩み

職場環境が転職理由の方の場合、その原因は何か?どうすれば改善出来るのか?をしっかりと考える必要があります。

例えば、物足りない、活気がない、成長意欲がない、というような環境で、自身のやる気が空回りしていて、今後のキャリアの為にも、もっと積極的に取り組み技術者としても成長出来る環境を望みたい、というような場合は分かりやすく、成長や積極性の感じられる職場を重視し、場合によっては多少忙しすぎるくらいの職場を選んでも良いかもしれません。

技術者の方で多いのが、『製造現場が近くになる職場で働きたい』という希望で、特に設計職の方にこういう希望が多いようです。つまり、ご自身が設計したものが作られる現場が近くにある、出来れば同じ建物や敷地にある、という環境です。実際にこういった企業へ転職成功した方は、『設計室から階段を下りれば製品を作っている現場があるのですぐに見に行けます』と喜んでいました。

割と多くて、そして難しいのが、人間関係や、働き方等の問題です。これは、入社してみないと分からない場合が非常に多いからです。例えば、企業の人事の方が、『ウチの会社は人間関係が非常に良いんですよ』と言ったとしても、それは今の組織、メンバーにおいてのことです。新しく中途で入る方にとって良い環境かどうかは、その人によりますし、相手との相性にもよります。これを解決する方法としては、トライアルを用いた採用をしている企業(紹介予定派遣、インターン、アルバイト期間を経ての採用)というのがあります。いずれも、『働いてみて、お互いに問題が無ければ正社員採用』という前提になります。しかし、現在在職中の方にとってはかなりリスクに感じるかもしれませんし、その方が扶養者を抱えているようでしたら尚更でしょう。

このような場合も、企業の内情まで理解していたり、環境に対するマッチングを考えたイレギュラーな対応をしてくれる、専門性の高いキャリアコンサルタントや転職エージェントに相談する事をオススメします。

給与を上げたい!という方の転職活動は・・・

誰だって、給与は高い方が嬉しいです。殆どの人が感じているのが、『今いる会社って給与安くない?』『転職したら給与が上がるでしょ』『同級生の友達はもっと給与をもらっているらしい』というような内容です。

現実的な話をしてしまうと、現状明らかに給与水準が低い方は、転職によって給与が上がるでしょう。もちろん、給与基準が前職よりも高くなる企業を選べばですが。

そして、転職に夢を抱く方には申し訳ないのですが、一般的な基準と思われる給与の方は、転職によって給与が上がる方は非常に少ないです。現在業界的に言われているのが、前職給与を加味して給与設定をしてくれる企業で良くて『現状維持』、よくある話が『現状の90%くらい』と最近の話です。

これは何故か?まず、多くの日本企業の給与体系は、長く在職して実績を上げた方を評価します。ですので、新卒で入って10年位は少しずつしか上がらずに、その後役職等が付くと上がり幅が大きくなる、という企業が多いです。その為、中途採用の場合は、『経験はあるが、実績はない』という意味で、『入社してから活躍できるか分からないリスク』『辞めずに長続きするか分からないリスク』を加味して、中途入社時は『現状の90%くらい』に落ち着く事が多い、というのは、多くの企業の人事担当者からの情報をまとめた結果そうらしいという内容です。

つまり、転職ですぐに給与が上がると言えるのは、現状よりも給与水準が高い企業へ転職した場合、ヘッドハンティングや外資系企業などでピンポイント採用にマッチした場合、超大手の明らかに給与水準が高い企業へ転職した場合、くらいかもしれません。しかし、給与問題で大事なのは将来的なところまで考える事です。外資系企業の中には、入社時に高い年収を提示されますが、その先上がらなかったり、契約社員で数年の補償しかない、という場合も少なくありません。

就業場所の問題で転職したい方は・・・

これも昨今、非常に多い相談です。一昔前よりも、転勤や転居、単身赴任に対して対応出来ないご家庭が多くなっているのかもしれません。それは、自宅の保有の仕方や、夫婦共働き、お子様の育て方など、時代と共に変化している要因だと感じます。

確かに、誰だって通勤は近い方が良いでしょうし、違う地域に移りたくない方の方が多いでしょう。しかし、組織の大きい企業になればなるほど、転勤という可能性はありますし、本来論でいくと、活躍して出世すれ人ほど転勤しています。ですので、本当に転勤したくない方に対しては、『転勤の可能性がない企業=拠点が他にない企業』をオススメする事が多くなります。しかし、転職活動をしている方やその家族の中には、『大手企業の冠』が好きな方や、『企業規模が大きい方が安心』という方も少なくないですし、『大手の方が給与が高い』という意見も確かに一般的な確率でいうと高い方です。

実際の話で、『入社半年以内に入社時の希望と違う勤務地になってしまった』『所属は近くだが、結局現場は遠いので殆ど家に帰れない』『前職は通勤2時間かかっていたけど、自宅から通えるだけ良かった』という話も聞きます。

ですので、就業場所に悩む方の場合は、将来を考えて、本当にどうすべきか、ご家族含めてしっかり考え、ご相談しておくことが重要です。

企業・求人の選び方のまとめ

上記にあげただけでも、企業・求人を選ぶポイントは5個ありました。実際には、それぞれの人によってもっとあります。これらをしっかりと考えて企業・求人を選ぶとなると、かなり大変な作業になります。特に在職中で転職活動をする場合には大変でしょう。しかし、今後の人生を左右する選択ですから、しっかりと考え、選び、納得して転職しないと、後で後悔したり、また転職しなければいけない状況に陥ります。

キャリア≒人生の選択は慎重かつ大事に!!

転職に焦っている方や、情報過多になっていると、『とにかく応募しなきゃ』『沢山応募しないと結果に繋がらない』、という考えに陥りがちです。そのお気持ちはよく分かりませんが、『とりあえず応募』という行動は、【キャリア≒人生】をとりあえずで決めてしまう行動です。

また、とりあえずで応募した企業へは、もう一度応募できないのが殆どです。上記のように希望と合う企業を選ぶのが大変で、希望に合う企業が少ない中、せっかく希望とマッチした企業への応募のチャンスを、『とりあえず』で消費してしまっても後悔しませんか!?

後悔したくない方は、やはり専門性の高いキャリアコンサルタントや転職エージェントに相談してみてはいかがでしょうか。

専門性の高いキャリアコンサルタントや転職エージェントって!?

今回、各段落の締めに何度も使ってしまった【専門性の高いキャリアコンサルタントや転職エージェント】とは何か?転職支援にも色々な形式がありますので、その方に合った支援を受ける事が相応しいと思います。

例えば、『求人票だけ沢山くれれば、あとは自分でやれるから』という方は、大手求人サイトや、それに属するエージェントサービスを受けると、多くの求人情報を提供してくれると思います。

一方で、『自身の希望と企業・求人の中身まで含めてマッチングして欲しい』とか、『そもそも自身の希望がまとまっていない』とか、『初めての転職で何からして良いか分からない』というような方に関しては、キャリアコンサルティングやキャリアカウンセリングから対応してくれたり、特定の業界や職種に専門性があったり、企業との繋がりが深くて中まで入り込んだ情報収集や紹介時の提案をしてくれる転職支援が合っていると思います。

企業・求人を選んだら書類応募!!

上記のように、応募企業・求人を選ぶだけでも大変な作業ですが、しっかりと選んだ上で応募となります。通常は、まずは書類選考になりますので、ブログ『技術者、初めての転職活動(転職活動開始編)』のように作成した履歴書・職務経歴書などの企業が求める応募書類を用意して応募しましょう。

そしてのその次は・・・長くなりましたので、続きは次回へ。

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