自分で自分の成長を感じられるのは、どんな時でしょうか。そして、成長を感じられないというのはどういう状況なのでしょうか。転職をすべきかどうか、切実な悩みにもなりますので、しっかりと考えてみましょう。

技術者としての成長とは

技術者が成長を感じる時、一番分かりやすいのは、技術力が上がり、出来なかった事が出来るようになった時ではないでしょうか。

転職後に自身の成長を感じていた技術者の話

技術の仕事どころか、正社員で働いたこともない人でした。理系の大学を中退し、飲食店でアルバイトをしながら、ブレながら就職活動をしていました。公務員試験を受けたり、営業職になる為の研修を受けてみたり。その結果その人が望んだ道は、技術者になり、設計職を目指すという事でした。しかし、そう簡単にチャレンジするチャンスは得られません。厳しい条件の中、設計職にチャレンジ出来る企業への就職が決まりました。しかし、周りの人は心配しました。そもそも未経験で設計職が出来るようになるのか?と。しかし本人は、『どうせゼロからの挑戦だから前を見て必死にやるだけ』と迷いがありませんでした。その結果、余計な事を考えず、素直に上司の言うとおりに仕事をに取り組み、勉強など努力をし、半年、1年と会うたびにスキルアップが実感出来て、出来る仕事が増えていくのが、話を聞くだけでも分かりました。仕事はどんどん楽しくなり、人間関係も良好になり、上司の方からの評価も良好でした。

転職後に自身の成長が感じられなかった技術者の話

設計の仕事をしていた方でした。新卒で入った会社は、あまり高いスキルは要求されない仕事でした。良い先輩に恵まれ、色々と経験は積めました。しかし、会社自体に大きな問題があり、続ける事が困難であった事、そして将来の為にスキルアップを望んだことがあり、転職しました。転職先は、一から育て直すという考えで採用し、現場研修からじっくり育てる体制を取ってくれました。しかし、その会社はベテランの職人揃いの会社でした。正直、教育が得意とは言えない環境と言えるでしょう。しかし、それは日本のものづくり中小企業にはよくある話です。その環境で5年、必死に悩みながら仕事に打ち込みましたが、本人は成長が感じられなかったそうです。実際に、入社4年目に成長を期待されて任された大型案件では結果を出せなかったそうです。

成長を感じられる技術者と、感じられない技術者の差は!?

スタートラインとしては、どちらが上とか下とかいうのはありません。未経験やポテンシャル採用でのスタートですから。それでは、どこで差が出て、どう違いが起こるのでしょうか。

環境による差!?

まず思いつくのが、職場環境や人間関係による差です。特に、未経験やポテンシャル採用の場合には、教える人、教え方、仕事の仕方、会社全体の考え方、などが考えられます。実際に、前項の事例でも、成長が感じられた方の技術者が入社した環境には、明確な指導者が存在し、その個人の特徴や成長度合いを見極めて課題を与えていたそうです。対して、成長が感じられなかった技術者が入社した会社では、ベテラン職人ばかりで、所謂『見て覚えろ』という雰囲気であり、明確な教育体制や考え方は存在せず、何となく仕事をしながら、都度何とかしなければならない環境であったようです。

本人の意識の差!?

本人の成長ですから、本人に起因する部分は少なからずあると思います。その中でも、本人の意識に関して、前項の事例では明確な差がありました。成長を感じられた技術者の場合、『どうせゼロからの挑戦だから前を見て必死にやるだけ』と必死になんとかしようという覚悟と意識がありました。それが指導者と相まって、真っすぐに成長したのだと思います。対して、成長が感じられなかった技術者は、前職である程度の経験があり、その前職は環境が悪かったので別の会社にいけば何とかなると、環境に頼るような気持ちがあったのかもしれません。環境頼みの状態では、職人気質の職場は厳しかったのかもしれません。

本人の適性の差!?

これは、我々キャリアコンサルタントにとっても非常に大事な目線なのですが、仕事をするには【適性】が関係する事があります。これは絶対的なものとは言い切れませんが、それなりに影響があると考えられます。そして、【適性】というのは、学歴や肩書では測れません。因みに、前項の事例では、成長を感じられた技術者は、大学の建築系学科を中退していて、入社した会社では、機械設計職にチャレンジしていました。成長を感じられなかった技術者は、大学の電気系学科を卒業して、入社した企業では電気設計・制御系の仕事を2社続けて担当していました。では、適性の差はどこに出ていたのか?実はこれがキャリアコンサルティングでも難しいところです。何故ならば、勉強の科目ではなく、【仕事】として行うからです。【仕事】では、機械や電気の知識だけでなく、人間関係や環境やコミュニケーションも関係しながら、会社の中で業務を遂行していきます。その為、あらゆるポイントで適性を見ていいく必要があるからです。

【まとめ】

成長を感じられるかどうかには、少なくても、環境・意識・適性が影響する事が分かりました。これらをクリアして成長を感じられることが、仕事のやり甲斐にも繋がる事は間違いありません。

しかし、転職活動中にこれらを理解して企業を選ぶ事は困難です。リスクを防ぎ、より自身に合った企業、入社後に成長出来る企業を選ぶには、企業の内情をしっかりと理解し、ご自身の事をキャリアコンサルティングでしっかりと理解してくれる、専門的なエージェントの支援を受ける事が一番の近道かもしれません。

技術職の道で、これらの事を悩まれる方は、日本アルテックへお気軽にご相談くださいませ。