コロナ禍で働き方や勤務場所、生活圏に関する考え方も変わってきています。TVではよく『地方に住んでテレワークをする人が増えています』という報道を見ますが、実際はどうなのでしょうか。
ものづくり業界の特徴
世の中の流れや、規制、流行り廃りもありますが、業界による違いも必ずあります。ものづくり企業の特徴は、その名の通り、ものを実際に製造・生産しますので、テレワーク等をするには大きなハードルがあります。
テレワーク出来るパターン
実際に、ものづくり業界でテレワークが出来ているパターンは、PCを使った作業が大半を占める場合です。例えば、設計職で、PC上での作業でほぼ完結するような仕事。解析やシミュレーションなどの業務で実機を使わない仕事。実機は外部へ委託する為、自身では実機を扱わない仕事。というような場合は、基本的にテレワークで働ける仕事です。しかし、どこかで実機を確認しなければいけなかったり、個人的に必要がなくても業務連携や会社組織としてテレワーク不可となる場合もあります。
テレワーク出来ないパターン
テレワーク出来ない一番のパターンは、製品を実際に扱う場合です。職種で言えば、製造職はほぼテレワークは不可でしょう。技術職で考えると、開発職も実機に関わる仕事、特に試作やオーダーメイドを扱えばほぼ現場にいないと出来ないですし、品質管理・評価、生産技術なども、基本的には現場にいないと出来ない仕事が多いでしょう。ものを作り以上は現場にいて、ものに触れないと・・・というのが現場の常識と言えるでしょう。
ものづくり業界ならではのパターン
その他に、業界ならではのパターンというのも見てみましょう。
より郊外で働きたいという考え方
都心の人混みの多い、最近の言い方でいうと【密】になりやすい環境を避けて働きたいという考え方が増えてきています。ものづくり業界の場合、工場併設などで広い土地が必要な事もあり、郊外などの都心部から離れた環境も多くあります。都心部にあるファブレス企業からの転職、大手企業の本社部門からの異動、色々なパターンで場所を移動したいという考え方です。
車通勤に変えたいという考え方
電車通勤は、やはり【密】になります。通勤ラッシュを避けたいという事で時差通勤にしている企業もありますが限界があり、車通勤に切り替えたいという考え方が増えてきています。会社として、公共交通機関の利用を禁止した企業もありましたが、そもそも自家用車の有無や、駐車場、通勤時間など、解決しないといけない問題が多い為、社員全員に適用するのは難しいようです。
変わる、勤務場所への考え方
はっきり言って、報道で言われているような、地方へ引っ越してテレワークをして、というようなパターンは、ものづくり業界ではなかなか当てはまりません。しかし、人混みを避けて働くことは、前項のように考えられています。今までは、所謂一都三県において、便利な都心部で働きたい、住みたいという考え方が多かったですが、これからは分散していくことでしょう。
転職による実現、注意点
こういった働く場所を変えるという考え方、実現する為に転職をする人も増えてくるでしょう。それはもちろん可能な事です。しかし、大事な事は、目先の場所という問題だけに囚われてはいけません。それは、また価値観や考え方が変わりかねないですし、転職はリスクを伴いますので、場所は希望通りになったけれども、他の問題が発生するという事が考えられるからです。しっかりと、何故転職するのかを考えた上で、長い目で見た道を選ぶようにしてください。