日ごろ、求職者の方との面談や面接対策を通じて、面接本番での質問に対する回答が的確かつ相手に伝えることができるよう、実践的なアドバイスをしています。聞かれていることをしっかり把握し、的をえた回答をするというのは面接成功の大きなポイントのひとつです。
また、それとは逆のこと、つまり、意図した回答を得るための質問の仕方がわからない(難しい)という悩みを聞くことも増えてきたように感じます。
面接においては、いわゆる【逆質問】という場面で面接官に質問する時間がありますが、聞きたいことが相手にうまく伝わらず、得たい回答が得られなずに困惑する方もいるようです。何度も聞くのは申し訳ないと思い、そのまま話題を変えてしまった、という話を聞くこともあります。
日常業務のなかでも同様のことがあるようです。たとえば、仕事を進めていくなかで、これまでに経験のない状況に直面したり、想定外の事態がおきて解決しなければならなくなったりしたとき、自分なりにいろいろと調べてみたがどう対処したら良いものかわからず、これは上司(先輩)に聞くしかない。というような場合に、上司(先輩)にたずねてみたが、自分が求める回答やアドバイスが得られない。そうではなくて…と再度たずねてみるものの、「何が聞きたいのかわからない。」と言われてしまった。
といったお悩みを聞くこともあります。同じようなことがたびたびおこると、どんな聞き方をすれば伝わるのかわからなくなるし、何度もたずねるのは申し訳ないという気持ちにもなりますよね。そして質問することをやめてしまい、その結果仕事は頓挫してしまうこととなり上司(先輩)から注意を受ける…。
そんな、「なんだか負のスパイラルにどんどんはまっていく」と感じている方もるようです。
そのような方が日ごろ行っている会話や質問の仕方をうかがってみると、
- 質問のパターンは1つだけ
- ピンポイントで聞きたいワードだけ使う
ようなタイプのようにお見受けします。問題点や疑問点に対して当事者であるご自身の目線でとらえているため、自分が解決したい方法だけを得ようとして質問がワンパターンになっていたり、あるいは、前後の状況や経緯の説明を端折ってしまい、【いま目の前にある結果】だけを伝えていることで、他者が共有するには情報不足だったり混乱を招いてしまったりされているようです。
ではそのようなタイプの方は、質問の内容を相手にわかるよう伝えるにはどのように変えていけば良いでしょうか。
質問のパターンを複数用意する
聞き方のバリエーションを複数用意するようにしましょう。例えば、「わからないのですがどうしたら良いですか?」だけでなく、「わからないので調べてみたのですが、〇〇の処理と同様の方法で進めて問題ないでしょうか?」と過去の事例と照らし合わせて確認をとるなど、自分なりの対策案や考え方を伝えて、間違いがあれば指摘してもらう形式を用意してみたりしましょう。
ストーリー性をもって質問する
たとえば、プレゼントに何を買えば良いかアドバイスがほしい場合「何を買えば良いですか?」と聞かれても、相手は質問が漠然としすぎていて困惑すると思います。ご自分のなかではプレゼントする対象者や予算を想定しているわけですが、その情報も含めて伝えなければ相手はどのようなアドバイスが適しているのかわかりません。「母の誕生日プレゼントを予算5,000円くらいで」などと付け加えることで、自分が意図する答えを得ることができます。さらに「母の日も近いのでそれも兼ねて用意したい」など、より詳しい情報も提供すれば聞かれた相手もアドバイスの幅が広がります。
日ごろから意図しない回答をされがちだったり、聞きたいことがわからないと言われることがあるようでしたら、聞き方を変える工夫をしてみましょう。