『面接は質問に答えに行く場ではありません』というのは私の口癖です。これは、面接対策をすればするほど、質疑応答を考えすぎてしまう技術者の方々の為に伝えている内容でもあります。特に、面接NG理由が『積極性・やる気を感じられない』というような内容の方は注意が必要です。

こういう話をすると、面接とは『何をしに行く場』なのか、という疑問が出てくるでしょう。

その答えは幾つかありますが、一番重要な要素は『その求人に合っている事を示す』という【自己PR】の場ではないでしょうか。

ここで言う面接での【自己PR】の仕方は大きく分けて2通りあると考えられます。

1つ目は、求められた内容(自己紹介、経歴の説明、質問に対する回答など)の中での【自己PR】。2つ目は、それ以外のタイミングで自主的に発する【自己PR】です。

1つ目は、求められた内容の中での【自己PR】に関しては、当然面接対策として準備しなければなりません。質問に答えるだけでなく、その回答が【自己PR】に繋がっている事が大事なのです。まず、質問の意図を汲み取る必要があります。そして、答え方に気を付けるべきです。

2つ目の、それ以外のタイミングで自主的に発する【自己PR】というのは、分かり辛いのではないでしょうか。何故なら、そこにセオリーは無いからです。『これから【自己PR】をしてください』という要求があれば、その時がタイミングですが、なかなかこういうお膳立てを面接官がしてくれる事はありません。では、どうすべきかを考えてみましょう。

自主的【自己PR】の仕方・タイミング

例えば、【自己PR】内容を用意しておいて、それを出すタイミングを見計らう、という方法が考えられます。場合によっては資料も用意し、ピンポイントで【自己PR】を用意しておき、それを出すタイミングを創り出すのです。実績の【自己PR】であれば、経歴の説明から実績の話に質問がいくように流れを作り、そこで【自己PR】するのです。

こういった、【準備】【流れをつくる】【自己PR】というのは成功すれば理想的ですが、プランを立てるのも簡単ではありませんし、何せ相手のある事ですので、上手くいかない可能性がかなりあります。

そういう場合にタイミングを逃さない方法として考えられるのが、『最後に自分から質問をするタイミングで【自己PR】をする』という方法です。面接において、最後に質問を求められない事はまずありません。ですので、この時間帯は自分から話をするチャンスです。面接官の意図とはズレますが、きちんと前置きさえすれば、【自己PR】をさせてもらえる事でしょう。

しかし、かなり勇気のいる行動かもしれません。

それを、実際にやってのけた技術者の方がいました。何故そうしたのかと聞いたら、『面接全体を通して、【自己PR】が足りないと感じていて、このまま面接が終わったら不完全燃焼で絶対に後悔すると思ったからです』と説明してくれました。

この気持ちと行動をどう感じますか?

私は、その面接にかける想い、その企業に対する本気度、そして客観的な評価をしながら面接に臨んでいる姿勢を感じ、面接官からも好感を持たれるだろうと感じました。

そして、これを【攻め】の面接と表現しました。

どうしても入社したい企業がある方、受け身な面接になってなかなか結果が伴わない方、是非とも【攻め】の面接にチャレンジしてみてください。