製造系技術者(製造系エンジニア)の方は面接に苦手意識を持っているということが少なくないと思います。しかし転職活動では、複数回の面接があり、その全てをクリアしなければ、転職することが出来ません。一般的には「一次面接→最終面接」と2回面接の企業が多いですが、「一次面接→二次面接→最終面接」と3回面接の企業もあります。それとは逆に弊社の取引先では応募者の負担を減らすために1回のみの一発面接としている企業もあります。

そのような転職面接で、一次面接を通過、あるいは一次面接・二次面接共に通過すると、最終面接は「最終的な意志確認確認だけなのではないか」、「形式的なものではないか」と考えてしまい、気が抜けて「お見送り」となってしまうパターンは少なくありません。それは非常にもったいないことです。そうならないために今回は最終面接を通過する人の共通点についてお話します。

まず、一次面接、二次面接、最終面接は何が違うのかを知っておきましょう。

一次面接、二次面接、最終面接の目的

複数回面接を実施するということは、それぞれ異なる目的を持って実施しているということです。企業によって面接で見る点は様々ですが、一般的には下記と考えて良いと思います。

一次面接(一次面接と最終面接の2回面接実施企業の場合)

一次面接では、人事担当者、技術の現場責任者クラス、技術の現場担当者クラスが担当することが多いです。3人全てが担当するとは限らず、技術の現場責任者クラスだけの場合もあります。

パターンとしては、下記の3パターンで、人事担当者のみということはほぼないと考えて良いと思います。

技術の現場責任者クラス

技術の現場責任者クラス+技術の現場担当者クラス

技術の現場責任者クラス+技術の現場担当者クラス+人事担当者

また、一次面接の目的は、下記点を確認することです。

今回求めている技術経験や知識があるか。

技術の現場責任者や技術の現場担当者が一緒に働きたいと思えるか。

現職あるいは前職(離職中の場合)での給与条件と希望給与確認。

退職理由、転職理由、志望動機、職務経歴の詳細確認。

一次面接、二次面接(一次面接、二次面接、最終面接と3回面接実施企業の場合)

3回面接実施企業の場合、二次面接が追加となり、一次面接、二次面接で目的が異なります。

一次面接

一次面接は、人事責任者、人事担当者が行うことが多いです。技術的な面の確認ではなく、下記のように考え方や人物面の確認を行います。

今までの経歴に一貫性があるか。

どのようなことがやりたいか。

当社の製品と現職(あるいは前職)の製品を比較してどう思うか。

退職理由、転職理由、志望動機の確認。

リーダー経験ある技術者の場合は、組織でどのように立ち回っていたか。

技術経験の話であれば、話しやすいかと思いますが、技術者の場合、人事面の面接はやりづらいと感じる方が多いです。人事のみの一次面接がある企業の場合は、いつも以上に入念な準備が必要です。

二次面接

二次面接は技術の現場責任者、技術の現場担当者が行うことが多いです。技術的な確認や仕事を任せられそうか、一緒に働きたいと思えるかといったことを確認します。2回面接実施企業の一次面接と同内容です。

最終面接

これが本当の最後の面接です。この最終面接をもって合否が確定します。

最終面接は、社長や取締役などの役員が面接することが多いです。下記のように会社の考え方と大きなズレはないか、組織人としての適性があるかといった確認を行います。

会社の考える方向性と大きなズレはないか。

組織への適性はあるか。

ゼロベースで考え方や人物面を確認して、自社に合っているかを確認。

一次面接、二次面接、最終面接のそれぞれの役割が分かったところで、次は本題の最終面接を通過する技術者の3つの共通点についてお話します。

最終面接を通過する技術者の3つの共通点

最終面接を通過する技術者には共通点があります。それを知ることが最終面接通過するための最短ルートです。

【共通点1】会社の考える方向性と自分の考えが合致している

社長や取締役などの役員が行う最終面接では、技術者としてのスキル面だけでなく、会社が考えている方向性、いわゆる「ビジョン」と応募者の考え方に大きなズレがないかを確認します。

一番分かりやすく伝わるのは、以前「技術者/エンジニアの転職活動で志望動機をまとめる方法教えます」でご紹介した通りです。転職する上で重要視しているポイント(転職先に期待すること)が応募先企業の考え方と合致していると伝えれば良いだけです。

自分の思いだけを述べるのではなく、思いを述べた後にその思いは応募先企業の考え方や環境に合致していると伝えましょう。

【共通点2】 組織人としての自覚を持っている

当然のことではありますが、企業は人が複数集まっている組織です。そのため、個人プレー、自己中心的といった面が目立ってしまうと、マイナスポイントになってしまいます。

製造系技術者/エンジニアの中には、組織のゴタゴタにはかかわりたくない、自分が好きな技術だけをやっていきたいという方が少なくありません。最終面接では意識的に技術者としての熱い思いに加えて組織人としての自覚があることを、今までの経験の中からエピソードとして話をすると良いです。

【共通点3】 一次面接、二次面接で答えた内容と同じ回答が出来ている

以前に一次面接で答えた内容と違う答えを最終面接でしてしまった方がいました。当然先方からは、「都度その場を取り繕っている人」、「一貫性のない人」「いい加減な人」といった評価を受けてしまい、最終面接で見送りになってしまったケースがありました。

一次面接、二次面接で聞かれた質問と全く同じことを最終面接で聞かれることがあります。これは違う立場からゼロベースで見てみたいということから、行っていることです。

一次面接、二次面接で聞かれたから最終面接では聞かれないだろうと気を抜かずに、最終面接に臨むことが大切です。

まとめ

最終面接では技術的なこと以外に気を遣わなければならないため、製造系技術者/エンジニアの方からすれば「こんなことまで考えなければならないなんて面倒くさいなぁ。」と思ってしまうこともあるかもしれません。

しかし、面接の準備を行う目的は、内定をもらうことだけではありません。しっかりと面接準備を行うことで、本当に自分が行きたい企業なのかを確認出来るようにすることも面接準備を行う大きな目的です。

表面的な転職活動では、内定が取れなかったり、入社後にこんなはずじゃなかったと後悔したりする可能性もあります。しっかりと自分の考え・軸を整理して転職活動、面接に臨んでいただければと思います。