面接において「これはニガテだ」と感じることのひとつに挙げられるもの、それは

「自己PR、してください。」

ではないでしょうか。「うわー、キタ…。」とか「うまく話せる自信がないな…。」という思いになる人も多いようですね。

新卒採用では集団面接であることが多く、この場合は「(自己PRが)前の人と話題がカブりませんように!」なんてドキドキしながら自分の番を待った経験があるという方もいることでしょう。中途採用の場合は集団面接というのはあまり実施されませんが、自己PRを求められる場面はあります。

また、職務経歴書に記載する自己PR欄についても「何を書けば良いのやら…」と、その部分がなかなか進められずにいる方も多いようです。

新卒の場合と異なり、中途採用では社会人経験を踏まえたうえでの自己PRを考えておきたいところではありますが、

「自己PRするようなことなく今まで過ごしてきた。」

「(自己PRとして)話すことが何もないのはダメなんですか?」

「自慢することなんてそんなにあるもんじゃない。」

 などと思ってしまい、面接で話すことも経歴書に書くことにも困る始末で、ニガテ意識が増長されるばかりですよね。

自己PRを話すことは自慢話をすることではありません

自己PRとは、自分の良いところや自信ある特徴を話すことです。そう言われると「自慢できることを伝えねば」と考えてしまい、何を話して良いかわからなくなる方がいますが、自己PRを話すことは自慢話をすることではないのです。

では自己PRを聞かれたときは、何を話せば良いのでしょうか。

【成果が出たこと】でなくて良い

良い結果が出たことや成果につながったことでないと、自己PRとして話すことができないと考えていませんか?自信があるイコール成功体験ではありませんし、良い成果を得た体験事例だけが自己PRとなりえるではありません。

・どのような考えを持って行動し、

・行動からどのような気付きを得ることができ、

・その後どのような意識をもって継続的に業務にあたっているのか

といった事柄を通じて、ご自身が努力してきたことや他の人より意識的に行動できると自負していることを話せるようにすることが大事なのです。結果的にうまくいかなかった事例であっても、自己PRとして話して良いものだとご理解いただけると思います。

事例は具体的に話す

自己PRに限定した話ではありませんが、事例を用いて話す際には具体的に説明しないと伝わりづらいです。

「コミュニケーションスキルがあります」や「粘り強く続けることができます」などを根拠づけるためには、その目的意識や具体的なアクションをしっかり説明できるよう準備しましょう。

とくに人数や時間など数字で表現できるものがあればより伝わりやすくなりますので、数字で説明するのも良いと思います。

他人の評価など客観的な話も加えてみる

自己PRというと主観的な話になりがちではないかと思います。おそらくこういう点も、自己PRが自慢話のように感じられるところなのではないでしょうか。

ここに客観的な話を加えることでただの自慢話とならないだけでなく、よりリアルに伝えることができます。顧客や上司から高い評価を得たり、採用された事案などがあれば説明に加えましょう。

面接中の質疑応答でPRしていることもある

職務経験の確認や仕事に対する取り組みなど、面接の流れのなかで回答していることが自己PRにつながっている、ということも多々あります。質問されていることに端的に答えるだけでなく、ご自身の考えや仕事に対する姿勢なども伝えることは聞かれなくてもしている自己PRとなるのです。

終盤にあらためて「自己PRしてください」と振られた際に「用意していた話題をさっきの質疑応答で話してしまった。違う話題を出さなくては…」と回答に窮することがあれば、同じ内容を話しても良いでしょう。「さきほどの話題と重複しますが」と前置きして話し始めるのも良いですし、躊躇せず自信をもって話しましょう。

求めてることを探らずに素直な気持ちで

「こういう話をしたほうがウケが良いだろう」とか「ネットで収集した情報によるとこういう話はNGらしい」と、企業が求めていることを探って話す内容を考える方もいるようですが、まずはご自分の素直な気持ちで考えてみましょう。

面接のために取り繕ったり、あえて用意した話題では本番でうまく話せないものです。素直に考えたことが企業に伝えるべき(伝えたい)内容かを検討していくほうが、本来のあなたらしさを表すことができると思います。