弊社では、技術者(エンジニア)の転職支援で、面接準備にかなり力を入れています。その際、面接では必ずと言って良いほど聞かれる志望動機の確認をするのですが、「社会や人の役に立つ仕事がしたい」、「人に感謝される仕事がしたい」ということをお話しされる方が少なくありません。
その考えが間違っているとか、否定しているとかそういうことではありません。素晴らしい考えではあるのですが、面接ではプラスにならないということをいつもお話させていただいています。
そもそも企業は何を求めているのか
当たり前のことにはなりますが、まず考えなければならないのは応募する企業が何を求めているのかということです。これをすっ飛ばしてしまうと、一方的で独りよがりなPRとなってしまい、面接に失敗してしまう可能性があります。
応募者に求めていることで、各社共通していることをひとことで言うと、「うちの会社で活躍できるイメージが持てるか」です。
実はこのイメージというが大切で、明確な答えのない採用面接では企業側に与える「イメージ」が非常に重要になります。
そのためには今回どのようなポジションのどのような仕事内容なのか、求めるスキルや人物像はどのようなものかなどを事前にしっかりと調べた上で、自分のキャラクターやスキル、経験と照らし合わせてマッチする部分のエピソードを整理しておく必要があります。「そんなの当たり前じゃん。」と思われるかもしれませんが、実際は意外と企業の求めていることを考えず自己PRだけを必死に考えてしまうことが多いので、要注意です。
「何がやりたいか」よりも大事なこと
「何がやりたい」という積極性は、技術職の採用ではPRになりますが、それよりもしっかりと伝えなければならないことがあります。
それは・・・
「何ができるか」
これにつきます。
そして、それもその企業で活かせると考えられる自分ができることを選んで伝えなければ、「何がやりたい」だけでは、刺さるPRとまで行きません。
例えば・・・
「何がやりたい」と言った場合
と言われると
となってしまいます。
これ言われると辛くないですか?
実際何か自主的に取り組んでいることがあれば良いですが、そうではないのが一般的ですので。
では次に・・・
「何ができます」と言った場合
といったように、何ができるかの話をすると、面接官としては具体的な話を聞きたくなります。そしてその具体的なエピソードを話すことで、興味を持ってもらいやすくなるのです。
設計経験はないけど、そういう経験があるのであれば、全くの素人とは違うから、覚えも早いかもしれないなと「出来そうなイメージ」を持ってもらえるはずです。
「社会や人の役に立つ仕事がしたい」だけでは足りない
「社会や人の役に立つ仕事がしたい」とか「人に感謝される仕事がしたい」という考えが間違っているとか、面接でそのような話をしてはいけないということではありません。
それだけでは足りないということです。
面接官としては、なぜそう考えているのかといった、その背景にあるエピソードを知りたいのです。
なぜそう考えているのかの具体的なエピソードが話せるのであれば、問題はありません。しかし、考えないと出てこないということであれば、「何ができるか」といった具体的な事実を経験してきたエピソードを交えて話をするほうが、面接はスムーズに進めやすいと思います。
と言っても緊張や不安もあるかと思いますので、そういう場合は、手持ち資料を準備しておいて、それを元に話すというやり方もあります。そうすると面接官の目は資料にいきますので、いくらか話しやすくなるかと思います。
面接準備は必要か?
素のままの自分を見てもらいたいから面接準備は必要ありません。
という方もいらっしゃいます。
話すことが得意な方に多いです。
しかし、何の準備もなく、素のままの自分を正確に伝えることができますでしょうか。
意外と自分のことは分かっていないものです。
しっかりと自分の中のものを書き出して、頭の中に整理しておくことは絶対に必要です。また、応募先企業のことはしっかりと調べて臨むべきです。
どんなにトークに自信があったとしてもしっかりと準備をした上で面接に臨んでいただくことをおすすめします。