先日、企業の総務部門管理職の方と打ち合わせをしたときにお聞きした話です。
「最近の若手社員は言葉遣いが良くなくて。メールの文面も受け手によっては【上から目線】と見られてしまうような表現なんだけど、最後に『いたします』を付けて丁寧な表現にしているつもりみたい。だからなんでもかんでも語尾が『いたします』なの。」
【ですます調】と【である調】
この話を聞いて思い出したことがありました。知人がある就活イベントをお手伝いしたときの事なのですが、集まった求職者(主に学生)にその場で質問票を記入してもらったそうです。質問票には「【である調】で100文字程度で」などのコメントをつけていたところ、
「この業界での仕事は私の希望に合っているのである。」
「アルバイトをしているのである。それは〇〇の販売である。」
などなど。多くの方がコメントの指定どおりに(?)記載してくれた結果、語尾が【である】調の回答が多発した、という話です。【である調】という表現は、いまや廃れてしまったのでしょうか、はたまた、もう学校では教えないことなのでしょうか。
冒頭の話題も同様で、「語尾が「いたします」なら丁寧な表現だからOKでしょう。」という発想なのかもしれません。その企業さんは、既に導入しているビジネスマナー研修のカリキュラム見直しを検討するそうです。
丁寧語と尊敬語と謙譲語
こうなると、敬語の使い分けはレベルの高い話になってきますね。実際に私が耳にした話です、
「上司に叱られて落ち込んでいたら、同僚が飲みに連れて行っていただきました。」
・・・。内容は伝わりましたが、ツッコミどころ多いです。「てにをは」もおかしいですし(ハッ!「てにをは」も説明が必要でしょうか・・・?)。
例)話す:丁寧語【話します】/尊敬語【おっしゃる】/謙譲語【申す(申し上げる)】
丁寧語は「ですます」調で丁寧にすること、尊敬語は目上の人や客先の方へ敬意を表すこと、謙譲語は自分をへりくだって表すことです。社内で上司との会話では「A部長がおっしゃってました」と尊敬語を使用しますが、客先の方との会話では「Aが申しておりました」と謙譲語を使用します。
間違えると失礼にあたることもありますが、日ごろから話す言葉に気をつけていると徐々に身についてくるものです。言葉遣いが身につけば、面接の場面でも役立ちますよ!