技術者/エンジニアの方を専門に転職支援していると、職業訓練校に通って勉強してきたという方が何人かいらっしゃいます。
その際に、職業訓練校に行っていたことはPRになるのか?履歴書には学歴欄に書いても良いのか?という質問をされることが多いので、今回は転職活動の際の職業訓練校についてお話させていただきます。
職業訓練校とは
職業能力開発促進法において規定された厚生労働省管轄の公共職業訓練施設です。一般的に良く知られている学校教育法に基づいて設立された学校(小学校、中学校、高校、大学等)とは違い、仕事をする上で必要な知識、技術を身に着けることを目的としています。
職業訓練の種類
大きく分けて以下の3種類あります。
離職者訓練
ハローワーク(公共職業安定所)の求職者に対して、実施している訓練です。受講料は無料で、テキスト代のみ自己負担となります。また、主に雇用保険受給者になります。
期間:概ね3ヶ月~1年
学卒者訓練
高等学校卒業者等をに対して、実施している訓練です。受講料、テキスト代ともに有料となります。
期間:1年または2年
在職者訓練
在職中の方に対して実施している訓練です。受講料、テキスト代ともに有料となります。
期間:概ね2~5日
職業訓練校の履歴書への書き方
前述の通り、職業訓練校は職業能力開発促進法において規定された厚生労働省管轄の公共職業訓練施設の為、学歴にはなりません。
その為、履歴書には学歴欄ではなく、職歴欄に記載します。
ポリテクセンターであれば、職業能力開発センターの部分をポリテクセンターにします。
ちなみに一般的な大学は学校教育法に基づいて設立されたもので、文部科学省管轄となります。小学校、中学校、高校、高専も同様です。
厚生労働省管轄か文部科学省管轄かによって、履歴書への記載は変わります。
文部科学省管轄の場合:学歴欄へ記載
厚生労働省管轄の場合:職歴欄へ記載
※ただし厚生労働省管轄でも、職業能力開発総合大学校「PTU:Polytechnic University」で学士を取得できるものもあります。
職業能力開発総合大学校(PTU:Polytechnic University)とは
職業訓練施設として、1961年に設立された厚生労働省所管の省庁大学校で、ものづくり産業を支える人材を育成しています。
4年間の学修によって学士(生産技術や生産工学等)の学位を取得することもが出来るコースもあります。
そのようなコースであれば、厚生労働省管轄の職業訓練施設でも、大卒同様の学歴となりますので、履歴書には学歴へ記載する形になります。
職歴となる職業訓練校は転職で有利になるのか?
学歴ではなく、職歴となる職業訓練校での経歴は、転職に有利か?という質問を受けることがあります。
結論から申し上げますと、経歴だけではPRになりません。
重要なのは、
- 何のためにその道を選んだのか
- そこで何を身に着けたのか
- 応募先企業でどのように活かせるのか
ということを、誰もが納得できる内容で話せるかどうかです。
それらをしっかりと説明出来れば、プラスになりますが、ただ単に職業訓練を受けましたというだけでは、プラスにはなりません。
まとめ
- 職業訓練校は職業能力開発促進法において規定された厚生労働省管轄。
- 一般的な大学は学校教育法に基づいて設立された文部科学省管轄。
- 履歴書には、文部科学省管轄のものは学歴欄へ記載、厚生労働省管轄の職業訓練は職歴へ記載。
- 職業能力開発総合大学校(PTU:Polytechnic University)は厚生労働省管轄だが、学士が取れるコースがあり、大卒資格と同様のものが取れる為、履歴書の学歴欄に記載出来る。
- 職業訓練は、どのような目的で受講し、何を身に着け、応募先企業でどのように活かせるかが説明出来れは、転職でプラスになる。