転職先を選ぶ悩みは絶えませんが、新しい事にチャレンジするかどうかで悩む人は非常に多いです。せっかくのチャンスとも取れるし、リスクを大きくしたくないとも思うし、、、
転職して新天地へ向かうという事
理由はどうあれ、転職して新しい会社へ移るという事は、会社も環境も様々な要素が変化します。その際に、技術者の人達が、変化を多く望むタイプの人と、変化をなるべく望まないタイプの人がいます。その中でも、職種や仕事内容に関しては、キャリアを考える上で一番重要です。職種や仕事に関して、上記の2タイプの人の事例を考えてみましょう。
変化を多く望むタイプの人
転職する際に、とにかく『やった事ない仕事が良い』、『もっと小さい会社で裁量を持って働きたい』、『忙しく稼ぎたい』という風に、変化を望むタイプの人に関して、幾つか事例を挙げてみます。
職種を変えたい!
技術職から営業職や事務職になりたい!逆に営業職から技術職になりたい!という方の相談も結構あります。『新卒の時は選べなかったけど本当は前からやりたかったから』、『仕事をしてみたら向いていなかったので変えたい』、『仕事をする中で、魅力を感じた』、『将来のキャリアアップに繋がると思って』などの理由があります。大きく分けて、『昔からの想い』と『働いてみて変化を求めるようになった』の何れかが多いようです。後者の『働いてみて変化を求めるようになった』というのはキャリア形成では非常に重要な考え方です。経験によって変化を求めたという事は、常に起こり得る事だからです。
専門分野を変えたい!
同じ技術職を続ける中でも、専門分野を変えたいという方もいらっしゃいます。大枠の事例では、『開発、設計、検証、品質、製造、生産技術』などの職種分野間での変化が挙げられます。小枠の事例では、『機械、電気、ソフト、化学』などの分野間での変化が挙げられます。これらに関しても、『経験によって変化を求める』ようになる事例が多いようです。
変化を望まないタイプの人
前項とは逆に、職種や専門分野に関して変化を望まないタイプの人に関しても、事例を幾つか挙げてみたいと思います。
職種を変えたくない!
転職先でも、同じ職種で働きたいという方はもちろん多いです。現職在職中期間経験を積んだ職種で、更に経験を積みたいという考え方は、技術職としては一番自然な転職です。技術職としてやり甲斐を感じ、経験を積み、更に新たな目標を持って転職する。転職先の選定には、職種以外の要素が重要になるでしょう。
専門分野を変えたくない!
専門分野に関しても、転職先で経験を更に積みたいという方々も多くいらっしゃいます。特に、弊社に相談に来る一番多い職種である設計職の方は、引き続き設計職として新しい物を生み出す仕事をしたいというパターンは多いです。小枠の分野に関しても、機械設計者は機械を、電気設計者は電気を、継続していく事を希望する方が多いです。その理由は、当然専門性が高いからです。多くの方は学生時代に基礎知識を学び、就職してから実務経験を積みます。深く学び経験を積めば積むほど面白くなってくる事も多い職種です。
採用企業はどう見ているのか!?
変化を望むタイプと、望まないタイプに関して、採用企業側はどう見ているのか、気になるところですよね。
変化を望まないタイプに関して!
殆どの場合において、マイナス評価になる事はありません。専門職、技術職という特性から、専門性の高さと習得年数がかかる事から、継続して同じ職種や専門分野を選ぶことを良しと考える採用担当者が多いです。また、経歴をそのまま評価に使えるという点もあります。『即戦力』を求める中途採用では、今までの職務経験が評価の対象になりますが、職種を変える転職だと未経験という扱いになりますので、評価をするのが難しいという事になります。故に、変化を望まない技術者の転職は、採用企業側から見ても自然な評価となります。
変化を望むタイプに関して!
前項と逆になりますので、採用側から見ると、評価が難しいという特徴が出てきます。今までの経験から、未経験であったり、少しの経験であったりしますので、所謂『ポテンシャル採用』という事になります。その『ポテンシャル』を評価するというのはかなり難しい選考になります。また、本人にとっても、アピールが難しくなりますので、いかに今までの経験や勉強、知識と繋がるかを示したり、適性等の『ポテンシャル要素』もアピールしたいところです。
変化を望むタイプの人へのアドバイス!!
変化を望む方へ可能性が低いような言い方になってしまったかもしれませんが、転職を機にキャリアチェンジをする事は、転職の魅力であり、転職しないと出来ない要素もありますので、是非前向きに考えてみてください。その上で、キャリアコンサルタントの目線で、幾つかアドバイスをさせて頂きます。
今までの経験との繋がりを意識しましょう!
いくら変化を望み、職種を変えるとしても、同じ人な訳ですから、何か繋がりや共通項があるはずです。例えば、知識の分野、仕事の仕方、特徴、性格や適性などです。この辺りから、自分には『ポテンシャル』があるという事をアピール出来れば、転職の成功確率は上がります。
年齢と経験を意識しましょう!
現実問題として、キャリアチェンジするには、年齢と経験が影響してきます。60歳で技術職を引退して、経理部長になりたい!と言っても、なかなか相手にしてもらえないですよね。これは極端な例ですが、年齢と経験によって、キャリアチェンジの実現の可能性が変わってきますので、現実的な感覚も忘れないようにしてください。
逃げのキャリアチェンジだけは駄目!!
キャリアチェンジする事自体は賛成なのですが、それは前向きな場合に限ります。逃げのキャリアチェンジは、良い方向に行かない可能性が高いと思います。例えば、今の会社で仕事や人間関係が上手くいかなかった事を、職種のせいだと思い込んでしまい、別の職種にキャリアチェンジしようとする場合、自分自身の適性を見れていない場合がありますので要注意です。また、習得に時間がかかったり、仕事が忙しかったりする事で、楽な道を選ぼうとする方もいるのですが、これも要注意です。まず、継続の先にある可能性を理解しないといけません。そして、『楽な道』というのは無いと考えた方が良いでしょう。技術者の方でたまにいらっしゃるのが、『事務は楽だから』、『派遣なら楽できるから』という台詞をたまに耳にしますが、どちらの人にも『事務・派遣の人に謝ってください!』と言いたいですね。『事務』と言っても幅が広いですし、専門職です。そして、『派遣』には自社で働いている人とは違う大変さが沢山あります!という訳で、とにかく逃げのキャリチェンジ転職は駄目ですよ!!