技術者の職務内容に対する希望内容は、明確な方が多く、拘りも強い傾向があります。それは、専門職である事が強く影響しているのでしょう。その中でも、実際にやりたい仕事とやりたくない仕事に対して、どう考え、どう行動するのか、実際の事例を交えてお伝えします。
やりたい仕事!
具体的にやりたい仕事、職種
相談を受ける中で、具体的な内容として多いのが、設計、開発、生産技術、整備、フィールドエンジニア、というように職種としてかなり明確です。経験があるので経験を活かして転職先でも行いたい場合や、未経験だけどチャレンジしたい!という場合が殆どです。
具体的でない、やりたい仕事
具体的な職種でなくて希望が出てくる話もあります。例えば、『物に触っていたい』、『工具を使いたい』、『CADを使いたい』、『新しいものを生み出したい』というような場合です。職種が何かよりも、何をしたいかが重要なようです。
先々やりたい仕事
憧れの仕事や、先々やってみたい仕事もあります。特に重要なのが、現状の延長線上にある仕事ではないでしょうか。成長する事で出来るようになる仕事や、ステップを踏まないと出来ない仕事、ポジションによって出来るようになるマネジメントや育成などの仕事も入ります。成長に伴うキャリア形成は非常に重要です。
やりたくない仕事
やりたい仕事だけでなく、やりたくない仕事を理解する事も、キャリアや転職を考える上で非常に重要です。技術者がやりたくない仕事として挙げるのは、どういう仕事が多いでしょうか。
営業
技術者が関わる身近にありながら、やりたくない仕事として真っ先にあがる事が多いのが、営業職や営業に関わる仕事です。対人的な要素が強くなったり、交渉、お金の話が出てくる事を理由にする方が多いようです。実際に、技術営業のように『営業』という言葉が付く職種や、求人票に『営業』に関わる内容が記載あるだけでも嫌がる方は結構います。
電話
電話が関わる内容というのは、電話対応業務を含む場合や、コールセンターという記載、場合によっては、『電話問合せ』という記載にもネガティヴな反応をする方がいらっしゃいます。営業と共通する部分で、『対外的』『会話』という要素が挙げられます。
管理
管理という言葉にも、ネガティヴな反応をする方が多いようです。管理職はもちろん、人やスケジュールの管理をする、マネジメントという言葉も共通します。営業や電話と共通する内容として『対人的』という部分と、責任が発生するという要素があります。自分で技術だけをやっていたい、という気持ちが強い方が、管理を嫌がるようです。
出張
ものづくり技術者の仕事で、出張はつきものなのですが、嫌がる方も増えているようです。理由としては、外で泊まるのが嫌、移動が嫌、家を空けるのが嫌、急な対応が嫌、など。特に最近増えているのが、車の運転が出来ない、したくない、という場合です。出張の場合、自分で運転が必要になる事も少なくありませんが、運転免許を持っていない方も増えていますし、ペーパードライバー等の理由でしたくないという方も増えているようです。
現実的にはどうなのか?という話
今までの話を踏まえて、転職の際や、将来的なキャリアとして、実際どうなのでしょう?
やりたい仕事に関して
やりたい仕事にはどんどんチャレンジして欲しいですよね!現実てにも歓迎される事が多いですが、実現するのが難しい場合も少なくありません。転職という意味では、求人要項に当てはまらないと、なかなか転職が成功しません。具体的には、経験者採用では、少なからず実務経験が求められます。ポテンシャル採用では、最低限の知識や努力している内容が問われます。そして、今までの経歴や年齢も、選考には影響します。ご自身で判断がつかない場合は、是非専門のエージェントやキャリアコンサルタントに相談してみてください。
やりたくない仕事に関して
やりたくない仕事というのに関しては、色々な角度から考える必要があります。ただ、前提として、『やりたい仕事だけやれる』という環境は無いと考えた方が良いでしょう、という事です。もし、どうしても『やりたい仕事だけやれる』環境を求めるのならば、アルバイトやパート、派遣、などの限定的な雇用形態を検討すべきです。しかし、それでも年数を重ねていくと、違う業務や、役割を求められるでしょう。それは、組織の中で働く以上、仕方のない事です。是非、『やりたくない仕事』を、『苦手だけど出来るようになりたい仕事』と変換出来ると良いと思います。
まとめ
転職やキャリアを考える時に、0 or 100 のような考え方は、決してしないように気を付けてください。どんなに拘っても、100%希望通りという事はありませんし、先々のその内容は変化していくものです。今回の議題である、やりたい仕事・やりたくない仕事に関しても、その内容やバランスは、入社後に数年働いてく中で必ず変化していきます。その中で成長し、対応力を高めていく事が、キャリアの中での自身の成長になります。ご自身の可能性を狭める事なく、変化をポジティブに捉えられる余裕を身に付けていきましょう。