昔の人が残した格言、明言というのは、非常に重みがあります。『なるほど!』と思う大事なものなのですが、経験してみないと気付かない事もあります。キャリアに関しても、もちろんこういった格言や名言が当てはまる事があります。
『三つ子の魂百まで』
今回ご紹介するのは、『三つ子の魂百まで』という、誰でも聞いたことがある言葉です。
意味はもちろん、『幼い頃の性格、習ったり覚えた事等は、歳を重ねて幾つになっても変わらない』という意味ですね。
『1社目の常識定年まで』
これをキャリア・転職に当てはめると、『1社目の常識定年まで』とでも言いましょうか。
実際に多くの方に話を聞いてみると、長く一社にいた方でも、転職回数の多い方々でも、意外なほどに共通していました。
学校を卒業して最初の会社で身に付けた社会人常識、仕事の仕方等、何度転職しても変わらない、その人の基準になる感覚があるようです。
『前の会社では違ったのに』
ですので、転職する度に、『前の会社では違ったのに』と、環境や文化の違いに対するギャップを強く感じる場面が多々あります。
実際の転職経験者の方々と接していて、この影響が特に大きいのが、『1社目に10年以上在籍してからの初めての転職』の場合ではないかと、感じることが多くなってきています。
『人は急には変われない』
人間は順応する動物とは言いますが、10年以上同じ文化で仕事をしてきて、気持ちとしては『新しい環境でチャレンジしたい』と転職するのですが、その環境や文化の違いに拒否反応を起こす人が非常に多いのです。
その為、我々のキャリアコンサルティングでは、『入社後、必ずと言って良いほど拒否反応を起こす』という事を事前に伝えます。
しかし、人間というのは、経験してみなげれば分かりません。転職前にいくら言われても、『自分は大丈夫だろう』、『しっかり準備しているから』という風に内心では考えてしまいます。
ですので、我々は、入社後も状況を確認させて頂きます。入社後1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、『転職後1年以内に何度か、この転職は失敗だった、もう辞めたいと思うのは普通ですよ。』と転職活動の真実を話して少し気を楽にしてもらいます。
『そもそも、何の為に転職をしたのか!?』
こういう転職後の苦しい時期に大切な事は、まずは転職前の自分を思い出す事です。大変な思いをして、転職したのには、前職では実現出来ない何かがあったからです。そして、それを実現し得る環境として選んだのが今いる会社です。その実現したい何かを実現する為には、入社後も沢山の努力が必要です。その最初の努力こそが、『順応すること』なのかもしれません。
チャンスを活かすのは自分次第!!
希望企業に転職出来た事、それはチャンスを得たという事です。そのチャンスを活かして、自分の希望を実現する事は、最終的には自分次第です。『1社目の常識定年まで』というなかなか変われない自分というのを理解したうえで、成長する努力をして、本当に意味のある転職を成功させましょう。