新型コロナウイルスが猛威を奮っていて、先の見えない不安な日々が続いています。とにかく今は感染拡大防止のために、一人一人ができることをしっかりと行なっていくことが終息へのカギになると信じています。
ちょっとした気の緩みによるレジャーや外出、必要以上の買い占めは避け、皆で協力し合って、個人主義にならないよう、心がけていきたいと思います。
そんな中でも求人募集はありますし、転職希望者もいらっしゃいます。しかし、転職相談にいらっしゃる方々は、「やはりこんな時だから厳しいですかね。」「難しいとは思いますが」など、転職にも不安を抱えてらっしゃる方がほとんどです。
求人が減っているという事実はありますし、通常通り採用を行なっている企業はあるという事実もあります。
今回は、このような不況時の転職はどのような点に気を付けたら良いのかなどのおはなしをさせていただきます。
求人はどれくらい減っている?
有効求人倍率で見ると、2020年2月は1.45倍となり、2019年12月からの下げ幅は0.1ポイントとなり、下げ幅だけで言うと、リーマンショック時と同等になります。しかし、リーマンショック時は有効求人倍率が最終的に0.5倍くらいまで落ちていますので、今回もまだまだ落ちる可能性もありますが、現時点ではそれに比べるとまだまだ求人があるという状況です。
ただ、これは全業種、全国の数字ですので、業種や地域によって状況は異なります。人によって希望する業界、職種、企業が異なりますので、転職を考える際は、それぞれの状況次第となり、一律で悲観的になる必要はありません。
テレビなどのニュースに惑わされずに、まずは自分が希望する業界、職種、企業がどういう状況なのかを知ることが大切です。
また、求人数については、緊急事態宣言が解除されれば、今まで採用活動をしたくてもできなかった企業の募集ポジションが、増えることは間違いないと思います。
不況は必ず繰り返しやってくるもの
景気は好況、後退、不況、回復が繰り返し現れるということが経済学の教科書にも書いてありますが、今回のような世界の混乱や経済不況は、必ず繰り返しやってくるものです。
振り返ってみると2000年のITバブル崩壊、2008年のリーマンショック、2012年のギリシャショックなどの大きな波があり、また人的災害や自然災害などによる経済的ダメージも含め、不況の波はこれまで繰り返しやってきています。
こういった繰り返しやってくる不況の波は、当たり前に起こるものだということは忘れてはいけないと思います。
好景気の時は、売り手市場で、採用ハードルも下がり、給与条件も良くなりますので、自分を過大評価しがちになります。
今回のような不況時にこそ、「本当に自分は市場から必要とされている人間か」と改めて自分の価値を確認することが必要だと思います。そして足りないスキルなどの修得に努めれば、繰り返しやってくる不況時に焦ることはないと思います。
第二新卒は不況の影響を大きく受けやすい
不況時に最も影響を受けるのは第二新卒かもしれません。
新卒で入社した会社をすぐに辞めたとしても、転職先を選ばなければ第二新卒として、転職先の選択肢がありました。経験なくても若手であれば自社で育てるからということで、第二新卒を採用する企業は多くありましたが、不況となると採用は止まります。
不況時には企業が保守的になり、新しいポストができづらく、第二新卒の役割は新卒採用で充分になります。
第二新卒であっても自分の価値を明確に理解し、しっかりと企業に伝えることが必要になります。若いだけでは通用しなくなるのが不況時です。
製造業界の求人はどうなっているか
実際に弊社がお付き合いさせていただいている企業様の現在の状況は、下記のようになっています。
- 先行きが見えないから一旦採用はストップしたい。
- 採用はしたいけど、採用活動自体を自粛せざるを得ない。
- 欠員募集やどうしても今必要な採用ポジションなどは、マスク着用、一定の距離を取る、換気、消毒を徹底して、面接を行っている。
緊急事態宣言が発出されたことで、明らかに求人数は減っています。
今は我慢するしかありませんが、緊急事態宣言が解除された際は、必ず採用活動は活発になると思います。
自粛だから今何もしないというのは危険です。今こそ、企業の選定や自身の価値の明確化(PRポイントの整理)、履歴書・職務経歴書といった応募書類の準備などをしっかりと行っておくべきです。
企業の選定といっても求人が出ていなければ、分からないという声もありますが、そんなときは専門の転職エージェントを活用することで解決します。
転職エージェントの見極めも重要
不況時には、求人数が減り、入社決定も難しくなるので、転職エージェントも必死になります。
そうすると、とにかく入社実績を作ろうとし、何でもかんでも求人を提案し、紹介を進めようとしてくることもあります。これは大手エージェントでも小さなエージェントでも同じことです。コンサルタント個人によると思います。
自分のことを理解してくれているか、自分のことを考えてくれているかといったことをしっかりと見極めなければなりません。内定を取ることだけが目的ではないはずです。
自分にとってベストなキャリアを歩むことだったり、やりがいの感じられる環境で働くことだったり、年収を上げることだったり、技術力を上げることだったりということが目的だと思います。
不況時だからといって、入れるところに入るのではなく、いつも通りしっかりと考え、転職活動を行うべきだと思います。
入社してから、「こんなはずじゃなかった・・・」ということにならないよう転職エージェント選びも慎重に行ってください。
不況時こそチャンスという考え方もある
不況時は、どうしても皆悲観的になり、行動も萎縮しがちになります。
そんな時こそ、粛々と企業選定や自分の価値の整理などの準備を進めるべきです。そして、良い企業が見つかって応募できれば、ライバルは少ないはずです。
現に弊社で保有している求人で、あまり知られていない優良企業が多くありますが、その中でつい先日複数社で数名内定が出ていたり、選考が現在も進んでいるという企業が複数社あります。
皆動きが止まっている今こそチャンスという考え方もあります。
対面面接ではなく、企業へ訪問せずにWebでの面接対応をしていただける企業もありますので、緊急事態宣言が発出された今でも活動は可能です。
こういう時だからこそ、丁寧に転職活動を行なって、自分にあった企業への転職を成功させてください。