時間外手当(いわゆる残業代)の計算方法は、就労形態、就業規則等により少しずつ異なります。フレックス制度の有無に分けて、下記の就労形態について説明します。

就業時間/9:00~17:30(休憩60分)(フレックス/無)の場合

時間外手当は、17:30以降の労働に対して発生します。この場合、一日の労働時間は7時間30分です。労働基準法では、一日の労働時間が8時間を超えたところから超過勤務として割増賃金を支払うこととしています。つまり、17:30~18:00の30分間の労働時間は割増賃金支給対象外の時間帯となります。

※割増賃金とは、時間当たり賃金に割増率を加算して支給する賃金のことです。

「それでは17:30から30分間はタダ働きになるの?」

割増計算の対象とはなりませんが、タダ働きにはなりません。ただし、この時間帯についても割増計算の対象とする、あるいは既に基本給に算入されている等の詳細については、それぞれの企業の就業規則により定められています。

給与明細を見て、時間外手当額に疑問を感じたら就業規則の内容と照らし、不明な点は企業の担当部署に問い合わせてみましょう。

月間就業時間/160時間(フレックス/有)の場合

フレックス制度がある場合は、1日の就業開始時間および終了時間は基本的に設定されているものの、コアタイム時間帯の就労について取り決めている会社が大多数です。よって残業手当として算出する時間は、所定の月間労働時間を超えたところからとする場合が多いです。

またフレックス制度においては、月間の実働時間が所定の労働時間に満たない場合、給与控除の対象となります。決まった時間に出社/退社しなくて良いフレックス勤務では、コアタイム時間帯の勤務は留意していても月間の労働時間の把握をせずに労働し、給与明細を見て「給料が減額されている!」と驚いてしまうことも。このような状況に応じるため、満たない時間分は翌月の労働時間で調整可能な、いわゆる『くりこし制度』を設けている会社もあります。

転職活動の際には求人票の情報で、内定した際には内定通知等で各種制度の確認ができますが、わからない点、不明瞭なところはそのままにせず、転職エージェントや企業の担当部署に問い合わせてみましょう。